【大会レポート】Jリーグ第2戦・スカイグランプリ2024 in 紀の川

スカイグランプリ2024 in 紀の川
開催日:4月20~21日 開催エリア:紀の川フライトパーク

Report & Photo: JHFパラグライディング競技委員会

2024-04-20 Day1
Race to Goal 29.1km

村井実行委員長の英断で悪天候の3月末から延期となった紀の川戦が仕切り直して開催された。午前は晴れ午後から曇ってしまう、高気圧の頑張りと西の前線の進み具合により多少変化する微妙な予報。さてどうなるか。

朝は予報通りの晴天だったが、タスクを設定するうちに西から来た分厚い雲に覆われみるみる曇天に。しかしコミッティは希望を捨てずに、ソーラーパネル手前のスタートを切り、東の高圧線手前で折り返し龍門テイクオフに戻ってから、橋本ゴールを目指す29.1kmのレースを設定。

諦めムードが漂う中、果敢に金本・北村がテイクするも粘りきれずに降りてしまう。しかし、その後に差した薄日で溜まっていた熱がしっかりしたサーマルとなり、3番手に出た荒井を雲底まで導き、若手の福丸がそれに続いた。

それを見た選手たちがにわかに準備を急ぎ、続々とテイクオフ。しかし、あっという間に空は閉じてサーマルは弱まり、スタートを取ってなし崩し的に次のパイロンへ向かい、次々と地上の人に。シングルゼッケンの全員がここに含まれており、また先行した荒井らもゴールまで届かずに降りていた。

予報通りに曇天のままこれで終了かと思えたが、ここで紀の川マジック発動。晴れ間が広がり始めると日射はジリジリ感じるほどになり、サーマルも強くなった。粘り強く条件の好転を待った選手やリフライトの選手たちがしっかり高度を上げていく。

雲底は1400mを超え順調にタスクをこなしたが、最後の九度山越えが分岐点となった。尾根が途切れリフトが弱くなり、吹き下ろしでトップだった石井、これに続く隅・吉岡・関根・奥山などが降りてしまう。

そんな中、中目・青木は川付近の渋く弱いリフトで粘りきりゴールへ向かう。さらに、少し遅れて高くやって来た吉原は、他選手が苦しむ川付近を避けて山寄りのコースを選択し、高度ロスを最小限に抑えて悠々ゴールへ。Jリーグ初のトップゴールを決め、中目、青木(パイロンミスでゴールならず)と続いた。

高度に余裕がなかったスポーツクラスの石川は、川付近は渋いことが多いという予備知識を活かして山寄りにシフトし、上げ直しに成功してゴール。クラストップを手にし、小林敦がこれに続きゴールした。

2日目は朝から雨。このため初日の成績が総合結果となり、吉原・石川両名がそれぞれのクラスで嬉しい初優勝。やみくもにスピード勝負を挑まず、条件の変化に合わせて冷静に試合運びを組み立てた両者がトップをつかんだ。

ゲートオープン前は雲が張って成立すら危ぶまれたが、選手たちの最後まで諦めない気持ちと、条件の悪化が見込まれる中でも最大限有効なタスクを設定したコミッティの努力が、大会を成功させた。全員で作り上げた好結果と言えるだろう。
そしてもちろん、それを支えてくれたスタッフ一同にも感謝しかない。来年もぜひよろしくお願いします!

大会結果

総合

順位 氏名 使用機体 得点
1位 吉原 紀子 Ozone Zeno2 MS 928
2位 中目 みどり Ozone Zeno2 MS 897
3位 阿知波 広和 Ozone Enzo3 S 856
4位 山本 雅史 Ozone Zeno2 MS 854
5位 石川 滋一 Ozone M7 MS 853
6位 小林 敦之 Ozone Photon ML 852
6位 山田 俊介 Ozone Zeno2 ML 852
女子

1位 吉原 紀子 Ozone Zeno2 MS 928
2位 中目 みどり Ozone Zeno2 MS 897
3位 金本 知子 Ozone Zeno2 S 679
スポーツクラス

1位 石川 滋一 Ozone M7 MS 853
2位 小林 敦之 Ozone Photon ML 852
3位 瀧鼻 秀明 Ozone Photon MS 682
4位 梅迫 賢一 Drift Merlin M 681
4位 山田 裕一 Ozone Photon ML 681
4位 辻本 恵一 Ozone Photon XL 681

参考リンク:スカイグランプリ2024 in 紀の川(JHFパラグライディング競技委員会)(大会結果もこちらに)

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