パラグライダーとは?

自由に空を飛びたいという、あなたの夢を叶えてくれる翼。

パラグライダーは、もっとも簡単に空を飛べる方法です。

空を飛ぶ夢を見たことはありませんか?
鳥のように、自由に大空を飛び回りたいと思いませんか?
パラグライダーは、そんなあなたの夢を叶えることができる、もっとも簡単な方法です。

パラグライダーで空を飛ぶと、まるで自分の体ひとつで宙に浮いているように感じられます。聞こえるのは風の音だけ。日常では決して得られない浮遊感、開放感、足元に広がる、まさに鳥の視点で見渡す広大な景色に、きっと感動することでしょう。

Photo: Red Bull Content Pool

パラグライダーって何?

パラグライダーは、布と細い紐でできた細長いパラシュートのような形をしています。空気を充填するときれいに膨らんで翼として成形され、揚力を発生することで、空中を滑空できるのです。

私たちはハーネスを呼ばれる大きなリュックサックのような装備を身に着けて、パラグライダーとハーネスを紐でつなぎ、飛んでいる時はこのハーネスにゆったりと座った状態となります。背もたれ付きのブランコにぶら下がっているようなイメージで、意外かもしれませんが「落ちる」という感覚はありません。

パラグライダーのテイクオフ(離陸)。Photo: NOVA

パラグライダーは通常、山の斜面などの高いところから飛び立ちます。何もしなければ空中を滑空、つまり進みながら緩やかに降下していくのですが、ある程度の技術と知識を身につけると、上昇気流に乗って高く舞い上がることができるようになります。地面から数m足が離れるだけでもこれまで味わったことのない感覚に感動してしまいますが、より高く上がれるようになるとさらに広がる視界と景色にまた感動することとなるでしょう。スキルが上がると、さらに高く、もっと長い時間、より遠くへと飛べるようになっていきます。上達していく過程でいつも新しい感動が待っていて、そして大自然の中で楽しむので同じ体験は二度とない。これもパラグライダーの大きな醍醐味の一つです。

着陸して空気が抜けるとパラグライダーは布と紐に戻り、畳むとハーネスも含めて機材一式は大きめのリュックサックに収まります。重さは10~13kg程度、軽量機材を選べば10kg以下に抑えることも可能で、担いで身軽に移動できる手軽さもパラグライダーの利点です。

パラグライダーの各部名称(スマホでは拡大してご覧ください)

Photo: ADVANCE / Adi Geisegger

怖くない?

テレビ番組の罰ゲームに設定することもあるため、怖いのではないかと構えてしまう方もいますが、フライト中は前述のように落ちるような感覚や、ジェットコースターのように胃が圧迫されるような感覚はありません。むしろ揚力によって常に上から引っ張り上げられるような感覚で宙に浮き、スピードは通常時速32~35kmでママチャリで走るよりちょっと速い程度。空を飛ぶ方法としては、もっとも平和なのがパラグライダーです。

高所恐怖症でも飛べる?

もしあなたが2~3mの高さでも足がすくむというような極度の高所恐怖症ですと、ちょっと難しいかもしれません。
でも「高所恐怖症だけどパラグライダーで飛ぶのは平気」と普通に飛んでいるパイロットは、実は少なくありません。もしかしたら、自分でコントロールするという安心感があるのかもしれません。とあるパラグライダー競技のイギリス代表経験もあるパイロットもその一人で、吊り橋は絶対に渡れないのだそうです。

富士山を眼前に飛ぶ静岡県の朝霧高原は、日本のパラグライダーのメッカの一つ。
Photo: Hiroki Nakamura

危なくない?

空を飛ぶ以上、墜落する可能性はゼロではありません。ひとたび事故になると大きなケガとなるリスクがあり、残念ながら毎年数件の死亡事故が発生しています。自然を相手にするアクテビティなので気象条件の急変で危険な状況に陥る可能性はあります。そして、知識や技術が乏しいにもかかわらず無理な飛び方をすれば、当然危険性は高くなります。

そうならないための技術や、気象条件を正しく判断して安全に飛べるコンディションを見極めるための知識、そして安全に空を楽しむための心構えを学ぶために、パラグライダースクールがあります。スクールではインストラクターの指導のもと、安全な条件でのみフライト練習を行うため、スクール講習での事故はほとんど発生していません。

パラグライダーが誕生してから45年。その間にパラグライダー機材は、安全性においても大きく進化を遂げました。パラグライダーの剛性は高まり乱気流の影響を受けにくくなり、ハーネスの衝撃緩和プロテクターの性能も上がり続けています。また、万が一のために装備しているレスキューパラシュートの性能も、より素早く開き、安全に降下できるように進化しています。

なお、パラグライダーは旅行傷害保険が適用されます(※)。これは、多くの保険会社が「パラグライダーは危険なスポーツではない」と判断し、同じく保険が適用される、スキューバダイビングやバンジージャンプと同等の危険度と認識しているということ。ちなみに適用外となるスポーツ・アクテビティは、ピッケルやアイゼンなどの登山用具を使用する山岳登攀、リュージュ、ボブスレー、航空機操縦、スカイダイビング、ハンググライダー、ジャイロプレーンなどが当てはまります。
※ 保険会社によっては傷害保険の適用がないところもあるため、加入時にはしっかり確認する必要があります。

自分にもできる?

パラグライダーは、年齢、性別、体格を問わず、生活に支障がない程度に体を動かすことができ、ちょっと小走りできる方であれば誰でも楽しむことができます。特別な運動能力は必要なく、義足で飛んでいる方も、車椅子で楽しんでいる方もいます。

パラグライダーの大会では男女が同じコースやルールで一緒にフライトして競い合うことからも、他の多くのスポーツと比べて女性がハンデなく楽しめることがわかるのではないでしょうか。
年齢制限もなく、定年退職後に60歳を過ぎてから、長年の夢を叶えたいとパラグライダーを始める方も少なくありません。

なお18歳未満の場合は、スクールで講習を受ける際に保護者の承諾書の提出が求められることがほとんどです。日本ハング・パラグライダー連盟では、パイロットライセンスは16歳以上で取得することができます。

とりあえず体験してみよう!

もしかしたらまだ不安や疑問があるかもしれませんが、少しでも興味があるのなら、まずは一度、とりあえず体験してみるのがおすすめです!
全国各地のパラグライダースクールでは、インストラクターの操縦する二人乗り用グライダーでのタンデムフライトや、ゆるい斜面で自分で操作して宙に浮くショートフライトを体験することができます。もちろん、最初からスクールに入校して本格的に始めることもできます。

全国各地のパラグライダースクールについては、こちらのページをご覧ください。

タンデムフライト体験では、インストラクターの操縦で鳥の気分を味わうことができる。
Photo: NIVIUK / David Casartelli