仏が圧倒!PWCスーパーファイナル2025

仏が圧倒!PWCスーパーファイナル2025
日本勢も世界最高峰の舞台で健闘

Photo on this page: Martin Scheel

優勝のアンディ・と女子優勝のコンスタンス・メッテタル。今回もフランス勢が強さを見せつけた。Photo: Goran-Dimiskovski

5月に開催されたビッグイベント、第15回ワールドカップスーパーファイナル(以下、PWC SF)についてお伝えできていなかった。どんなレースが繰り広げられたのか、そして日本人選手がどのように世界を舞台に健闘したのか、改めてレポートしよう。

舞台となったのはスペイン南部に位置するペガラハール。PWCランキング上位選手のみが出場できるこの大会には世界各国からトップパイロットが集結し、11日間で9タスクが成立。スペインらしい強いサーマルを活かした100km超のロングタスクが続き、世界最高レベルのスピードレースが繰り広げられた。

山岳とフラットを組み合わせたハイレベルなタスク

ペガラハールはオリーブ畑が広がるアンダルシア地方のフライトエリア。山岳地帯と広大なフラットが隣接し、その両方を使った多彩なコース設定が特徴で、近年大きな大会が数多く開催されている。

初日は86.5kmの比較的短いタスク。フォローを背負ってハイスピードレースとなり、先行グループと追走グループが異なるラインを選択しながら進んだが、終盤に合流。大集団でのゴールスプリントを制したのはオノラン・アマールだった。

2日目は翌日の荒天予報を見越して130kmのロングタスクが設定された。20km/hほどの追い風で進むレグでは北回りと南回りのルートに分かれ、それぞれのラインで優勢を入れ替えながら進む戦略的なレースとなり、最終的にはマキシム・ピノがタスクを制した。

3日目は強風のためキャンセル。4日目は124kmのタスクが成立し、山岳から雲のないフラットへ移る難しいコンディションの中でエドゥアール・ポテルが勝利した。
5日目は午後からのサンダーストーム予報を受け、タスク距離が72kmへ短縮され、コンディションが悪化する前にレースを成立となった。

その後も127km、127kmと100km超のタスクが続き、ペガラハールらしい長距離レースが展開された。しかし大会終盤は南風の影響で2日連続キャンセルとなり、10日目はグラナダに移動してのレース開催。標高3000mを超えるシエラネバダの雪山を望みながらの128kmタスクは、大会屈指の景観と内容だった。

最終日は120kmのトライアングルが組まれたものの、スタート時刻が16時15分まで遅れたことで、夕方にはサーマル活動が急速に弱まり「サバイバルゲーム」の様相に。ほとんどの選手がESSまでは到達したものの、ゴールまで届いたのはステファン・ドワンただ1人だった。

日本勢も着実にゴールを重ねる

日本からは平木啓子選手と岩﨑拓夫選手が出場した。

平木選手は、大集団での高速レースに苦戦しながらも、毎タスク確実にゴールを重ねた。序盤は慎重な判断が順位に影響する場面もあったが、2日目には130kmをトップから約4分差でゴール。4日目も終盤の難しいファイナルグライドを冷静にまとめ、世界トップレベルの集団の中で安定した飛びを見せた。

岩﨑選手も長距離タスクで何度もトップ集団に食らいつき、4日目には低い高度からファイナルグライドにを切った約20人の1人となるなど積極的なレースを展開。10日目のシエラネバダでは先行グループに加わる場面もあり、世界トップレベルのレースの中で存在感を見せた。

フランスが層の厚さを改めて証明

大会を通して際立ったのは、やはりフランス勢の強さだった。

タスクトップはオノラン・アマール、マキシム・ピノ、バティスト・ランバートら有力選手が分け合い、最終的な総合優勝は若手のアンディ・タリア。2位バティスト・ランバート、3位ピエール・レミと男子総合表彰台をフランス勢が独占した。

左から、1位バティスト・ランバート、1位アンディ・タリア、3位ピエール・レミ、いずれもフランス。Photo: Goran-Dimiskovski

女子もコンスタンス・メッテタルが安定した飛びで総合優勝。タスクトップを重ね一度も大きく崩れることなく大会を制し、フランス女子の層の厚さも印象付けた。

一方でアメリカ勢もアレクシア・フィッシャー、ビオレッタ・ヒメネスらが各タスクで優勝争いを繰り広げ、女子ではフランスとアメリカが大会をリードした。

左から、4位ビオレッタ・ヒメネス(米)、2位アレクシア・フィッシャー(米)、1位コンスタンス・メッテタル(仏)、3位ダフィネ・イエロポリ(仏)、5位ジェニー・オニール(米)。Photo: Goran-Dimiskovski

世界最高峰の舞台で改めて示されたフランスの総合力。そのフランス代表が、この夏に北マケドニアで開催されるFAIヨーロッパ選手権とジュニア世界選手権への不参加を表明したことは、大きな波紋を広げている。

続く記事では、FFVL(フランス・ハンググライディング・パラグライディング連盟)の声明と、その後に主催者が示した対応について、確認できる事実をもとにお伝えする予定だ。

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