2023年を振り返る 注目トピック8選 ⑤スポーツクラス大会

2つのスポーツクラス国際リーグがスタート
2025年にはスポーツクラス世界選手権開催へ

SRS(スポーツクラス・レーシング・シリーズ)と、ノバ・パラグライディング・グランプリの2つのリーグ戦が始まり、2023年はスポーツクラス国際リーグ元年となった。

SRSイタリア戦での1コマ。Photo: SRS / Marcus King

ヨーロッパでは、オゾン・シャーブラオープン、ジン・ワイドオープン、ナビターオープンといった、参加機体をB、Cクラスに限定したファンコンペの人気が10年ほど前から徐々に高まり、類似の大会が各地で開催されるようになったことで、コンペ機ではないグライダーでコンペを楽しむパイロットが以前よりも増えていた。さらに2ライナーC機が各社から続々とリリースされ、腕試しをしたいと考えるパイロットも増えたと予想できる。

2つのリーグ大会にそれぞれ参加したパイロットの話によると、SRSはよりシリアスにコンペに取り組みたい層をメインターゲットに想定し、ノバのグランプリはよりコンペビギナーが参加しやすい雰囲気に感じられたとのことだった。

2024年の開催予定は以下のとおり(1月上旬現在)。2023年はマイナーなエリアでの開催が多かったグランプリだが、2024年度は実にメジャーなエリアを揃えてきた。海外エリアで飛んでみたいというパイロットは、こういった大会に参加するのも1つの手段かもしれない。

SRS
日程 開催エリア(国)
1月6-13日 ピエデチンチェ(コロンビア)
6月2-8日 ベルガ(スペイン)
7月7-13日 モンタレグレ(ポルトガル)
8月25-31日 クルシェボ(北マケドニア)

【各大会の詳細はこちら】

ノバ・パラグライディング・グランプリ
6月8-14日 シャーブラ(フランス)
7月20-26日 トルミン(スロベニア)
8月11-17日 クルシェボ(北マケドニア)

【各大会の詳細はこちら】

ノバ・パラグライディング・グランプリ2023、イタリア戦での1コマ。

スポーツクラス世界選手権、開催への動き

また2023年11月にCIVLは、2025年に第1回パラグライディング・スポーツクラス世界選手権の開催を予定しているのと同様に、パラグライダーのスポーツクラスのCIVLランキングを開設する意向であると発表した。また、カテゴリー2の大会においてCクラス以下のグライダーで参加した場合の結果が対象となる見込みとのこと。

これらは2月のFAI総会で提出され、そこで正式な承認を得る必要があるが、CIVLは承認されるのは確実と見ているようで、2025年の第1回スポーツクラス世界選の開催地の入札を受け付けている。

RSR 2023結果

総合
1位 マーク・ヘイマン(イギリス) オゾン・フォトン 5276
2位 ルーク・ニコル(イギリス) オゾン・フォトン 5241
3位 マティアス・ノンバラスコ(イギリス) オゾン・フォトン 5136
4位 ゴードン・マックロー(イギリス) オゾン・フォトン 4948
5位 ピエール=アントニー・ドゥワン(フランス) エアデザイン・ヴォルト4 4914
女子
1位 マグダレナ・ジャナウェイ(イギリス) オゾン・フォトン 3674
2位 レネ・スパーウォーター(スイス) オゾン・フォトン 3633
3位 サマー・バーハム(アメリカ) オゾン・フォトン 3142
4位 モニカ・タカツ(オーストリア) オゾン・フォトン 3122
5位 リンジー・へイネス(アメリカ) ニビューク・アーティックR 3050
レイノルズクラス
1位 ラファエル・ロサ・プラト(スペイン) オゾン・フォトン 4817
2位 アレクセイ・ボルディレウ(フランス) ニビューク・アーティックR 4681
3位 マニュエル・ブムギャテン(フランス) ニビューク・アーティックR 4611
4位 CJ・ジェセット(アメリカ) オゾン・フォトン 4526
5位 アーテム・マリシェヴ(スイス) エアデザイン・ヴォルト4 4444

ノバ・パラグライディング・グランプリ2023結果

総合
1位 スタニシヴ・クリカー(チェコ) ドリフト・マーリン 360
2位 ステファン・ミハル・グリゴール(ルーマニア) BGD・キュア2 308
3位 ステファン・ノーブル(オーストリア) オゾン・フォトン 270
女子
1位 カタリン・スコブジン(ドイツ) スープエア・サヴェージ 180
2位 エメセ・フォドー(ルーマニア) オゾン・フォトン 150
3位 ジョアンナ・ココット(ポーランド) オゾン・フォトン 135

 

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