【連載】花田瞬のテストパイロット日記 #5

第5回
テストパイロットになって感じる自身の変化

こんにちは、花田瞬です。
お久しぶりになってしまったのは、パラワールドWEBの中の人が忙しかったようです(笑)。

僕も4月はイベントや工場で忙しく、5月に溜まったグライダーのテストをたくさんして来ました。
この時期フランスはだんだんシーズンの始まりという天候だったこともあり、パートタイムのテストパイロットも合流してみんなで一緒にテストするできました。
テストパイロットが多いと、開発スピードも格段に上がりますし、何より楽しいですね。

今月上旬は久しぶりに日本に帰り、いろいろなエリアにお邪魔してきました。6月中旬からはまたフランスに帰って、たくさんの仕事をこなす日々です。

それにしても、今年は暑い! ここ南フランスのゴードンは、フランスでは一番涼しい場所らしいのですが、それでも最高気温は連日30℃超。6月としては記録的な暑さで、クーラーがないと生きていけません。

スイスで認証機関のエアターコイズにテストしてもらった時の写真。

チームパイロットのオリビアのエリアで、アベルと3人で、認証が終了だー!の1枚。

グライダーの限界値を知ることで
性能を最大限引き出して飛べる

今回は、テストパイロットになってから自身が感じている変化について、書いてみようと思います。

最近いろんなところで感じるのは、やっぱりパラグライダーはメンタルがとても大きなスポーツだということです。そしてテストパイロットになって、知らないこと、やったことがないことが、とても怖いなと感じるようになりました。

当たり前と言えば当たり前なのですが、発売前にどんなグライダーもほぼすべてのテストをします。
フルアクセルでリーサイドサーマルに突っ込んだり、フルスピードでコラップス、ストール、スピン、ブレークのストールポイントまで、ほぼすべてのマヌーバーを試して、認証機関にグライダーを渡します。
この過程で必然的に自分がテストしたグライダーの限界値を知ることができるので、とても安心してパラグライダーで遊べるようになりました。不安なく飛べるグライダーの枠を増やすのは成長に繋がりますよね。

昔は僕も、認証されたグライダーを購入して、コラップスやストールなど起きないように、慎重に飛ぼうとしました。
そうすると、グライダーの性能を出し切ることはできません。
また、グライダーの挙動からコンディションの変化などを理解することができず、グライダーがよくわからない挙動をしたときに、それがコンディションのせいなのか、グライダーの不調のせいなのか、はたまた自分のメンタルゲージがなくなったせいなのか、原因がわからず怖がることしかできませんでした。

今はグライダーの限界値がわかるようになり、少しずつ自分の気持ちに正直に、等身大で飛べるようになってきたので、コンディションやエリアを身体中で感じられるようになってきました。
フルアクセルをどのようなコンディションでも踏めるいい相棒で大会に出るのは、本当に、心から最高です。

今回帰国した際、インストラクターさんやディーラーの方に「日本でコラップスラインの注文ってあるのですか?」と聞くと、一度もないとのことでした。
確かに日本にはSIVなどをする環境が少ないのは理解していますが、2ライナーの事故が多いのはやはりコラップス後のシュートだったりしますので、少し心配なところではあります。

昨今のグライダー価格上昇も影響しているのか、大会で飛ぶグライダーを温存して普段は違うグライダーで飛んでいる人も結構いると聞きますが、大会の時だけしか乗らないそのグライダーを100%信用することはできますか?
せめて、大会で乗るのと同じモデルの動きは知っておくべきなのではないかな? と感じます。もっとできることを増やして、自信を持って飛べるように練習したいですね。

世界中の国の人と働く
やりやすさ、やりにくさ

話は変わりますが、世界中のいろいろな国で、いろいろな国の人と働いていると、さまざまな場面で各国の国民性の違いなどを感じます。やりやすいこと、やりにくこと、両方あります。

例えば、工場のある暖かい国の人たちは、仕事は少しゆっくりですが、みんな本当に幸せそうに仕事をしてるので、とても幸せな気持ちになります。

スリランカの工場でのランチ。

テスト後にスイスのBGDディーラー宅でディナー。

韓国で働いていた時は、日本から近いのもあって似てますが、「パリパリ(急げ)」とよく言われました。でも本当にみんな面倒見が良く、たくさん助けてもらいました。

フランスでは、個人個人がしっかりと働きます。ほとんど残業はなく、定時内で一気にたくさんの仕事を終わらせて、みんなサクッと帰っちゃいます。

僕はというと、日本人ぽく働きながら、環境に合わせて働いています。
ポンコツなとこもあるので、日本人魂で残業して、追いつく努力をしてます。

国民性の違いで難しいなと思うこともありますが、やはり人と仕事しているんだなと感じます。
僕はいい人たちとの出会いに恵まれる才能だけはあるのか、本当にどこでも仕事を楽しむことができています。

モロッコで開催されたチームパイロットミーティングでの集合写真。来年はどこかなー?

フランス語を覚えたり、もっとグライダーデザインもしたいので、もっともっと頑張ります。
もちろんパラグライダーも上手くなりたいので、ぜひ一緒に練習しましょうね。

それでは、チャオ☆

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